研究交流部門

研究交流部門では、国内において、すでに先進的な活動を展開しているジェンダー研究センターと連携し、シンポジウムの共催や合同研究会などを行い、教員・院生の相互交流を奨励・推進します。海外においても、欧米やアジアを中心とした複数のジェンダー研究所や研究者とのネットワークの構築をはかり、研究のみならず教育実践についても相互交流を実現します。

CGraSS 公開レクチャー・シリーズ

ジェンダー研究の新しい方法を模索し、社会科学の手法との融合をいかにして果たすのか。CGraSSでは、この課題にこたえるため、毎回学外からさまざまな研究領域の専門家のゲスト報告者を招いて、これから連続して公開レクチャー・シリーズを展開していきます。

CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第59回

19世紀ブラジルの奴隷制とジェンダー(Slavery and Gender in Nineteenth Century Brazil)

講師:Maria Helena Pereira Toledo Machadoさん
今回は科研費基盤研究(A)「「奴隷」と隷属の世界史―地中海型奴隷制度論を中心に」でブラジルから来日されるマリア・エレーナさんに「19世紀ブラジルの奴隷制とジェンダー」と題してご講演いただきます。ブラジルは大西洋奴隷貿易の地域別統計では最多の奴隷を受け入れ、南北アメリカ大陸で最後まで奴隷制度が残った国であり、奴隷制研究ではきわめて重要な研究対象であります。本講演では、ブラジル奴隷制研究を牽引する専門家のエレーナさんに、ブラジルでの最新動向を語っていただき、奴隷の家族や女性、再生産などジェンダー視点から奴隷制の社会史を論じてもらいます。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(12月16日締め切り)。お申し込みは こちら。


講師紹介

サンパウロ大学歴史学部教授。ブラジルの奴隷制、奴隷解放、解放後の社会史。奴隷の抵抗、奴隷制とジェンダー、人種論などの研究多数。主要業績にBrazil Through the Eyes of William James, 1865-1866 (2006); From Slave Rebels to Strikebreakers:The Quilombo of Jabaquara and the Problem of Citizenship in Late-Nineteenth-Century Brazil, in Hispanic American Historical Review, vol. 86: 2, 2006 (article,)など。


日時:2023年12月23日(土曜日)14:00-16:00
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合は下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)・清水和裕さん(九州大学人文科学研究院・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第58回

〈教師の人生〉とジェンダーはどのような関係にあるのか?

講師:寺町晋哉さん
ジェンダー公正な社会を形成する上で学校教育や教師に対する期待は大きく、特に「ジェンダーへセンシティブであること」(ジェンダー・センシティブな視点)が重視され、教師が自身のジェンダーへ批判的になることが求められてきた。ところが、ジェンダー・センシティブな視点は教師たちの生き方や価値観へ踏み込むことを避けられず、彼/彼女らの価値観を否定するリスクもある。こうしたリスクをふまえつつ、「ジェンダー公正な社会を形成するために教師ができることは何か」を検討していく。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(12月8日締め切り)。お申し込みは こちら。


講師紹介

宮崎公立大学人文学部准教授、博士(人間科学)。専門は教師教育学、教育社会学。主な著書に、『〈教師の人生〉と向き合うジェンダー教育実践』(晃洋書房、2021年)、『現場から変える!教師の働き方』(共編著、大月書店、2023年)、中村高康・松岡亮二編『現場で使える教育社会学』ミネルヴァ書房(分担執筆)、松岡亮二編『教育論の新常識』中公新書ラクレ(分担執筆)など。


日時:2023年12月15日(金曜日)10:45-12:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合は下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:山田哲也さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第57回

敗戦・被占領と性暴力―日本(内地)と「満洲」(外地)で同 時展開の「性接待」

講師:平井和子さん
近年、敗戦直後政府によってRAAなどの占領軍「慰安所」がつくられたこと、「満洲」でも開拓団の女性たちがソ連兵へ「性接待」に出された事実が語られるようになった。これらの問題はなぜ、日本軍「慰安婦」問題よりずっと遅れて「問題化」されたのだろうか。被占領という「未曽有の国難」に際して、男性リーダーたちは女性を「守るべき女性/差し出すべき女性」に二分化し、後者を「性の防波堤」と称した。「差し出された」女性たちの多くは、軍「慰安婦」、芸娼妓・酌婦などの性売買女性たちで、男性たちは、彼女らを「尊い人柱」「女の特攻」と讃えつつ、「自発性神話」も利用した。歴史の穴に置き去りにされてきた当該女性が残したかすかな声とを拾い集め、彼女たちの“かたきをとる”ためのささやかな歴史実践に耳を傾けていただきたい。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(9月27日締め切り)。お申し込みは こちら。


講師紹介

一橋大学ジェンダー社会科学研究センター客員研究員(社会学博士)。1955年広島市生まれ。専門は近現代日本ジェンダー史。主著『日本占領とジェンダーー米軍・売買春と日本女性たち』(有志舎、2014年)、共著、上野千鶴子・蘭信三・平井和子編著『戦争と性暴力の比較史へ向けて』(岩波書店、2018年)、近著『占領下の女性たち―日本と満洲の性暴力・性売買・「親密な交際」』(岩波書店、2023年)


日時:2023年10月4日(水曜日)18:30-20:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第56回

西洋ジェンダー史とアグノトロジー

講師:弓削尚子さん
近代歴史学は、性別二元論に基づくジェンダー規範が支配する19世紀後半のドイツに成立した。その対象は政治、経済、戦争など男性中心の「公的」領域とし、この枠の外にあるものは当時の価値観によってはじかれた。そこに「無知」が創出されたと言える。家族史や女性史など、ジェンダーの観点から史学史を考えるのに、アグノトロジー(無知学)は有効な分析枠組みである。講演では拙著『はじめての西洋ジェンダー史』をもとに、クィア・ヒストリーとアグノトロジーというテーマにも踏み込みたい。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(6月23日締め切り)。お申し込みは こちら。


講師紹介

早稲田大学法学学術院教授、博士(人文科学)。専門はドイツ史、ジェンダー史。主な著書に『はじめての西洋ジェンダー史』(山川出版社、2021年)、『啓蒙の世紀と文明観』(山川出版社、2004年)、『論点・ジェンダー史学』(共編著、ミネルヴァ書房、2023年)。


日時:2023年6月30日(金曜日)10:45-12:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第55回

ルッキズムとジェンダー―フェミニズム/ジェンダー研究における外見/美

講師:西倉実季さん
近年、ルッキズム(外見に基づく偏見・差別)に関する社会的関心が高まっている。しかし、現状の議論においては、ルッキズムとジェンダーとの関わりは必ずしも注目されていない。そこで本講演では、フェミニズム/ジェンダー研究において外見や美がどのように問題化され、「ルッキズム」がいかなる問題として議論されてきたのかを確認する。また、これらの蓄積を踏まえたときに、今後ルッキズムを論じていくにあたって私たちが留意しなければならない点について検討する。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(11月23日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

東京理科大学教養教育研究院准教授。専門は社会学、ジェンダー研究。病気やケガで外見に特徴を持つ人たちの社会的困難に関するインタビュー調査を継続しつつ、近年は雇用場面でのルッキズムについて研究している。『顔にあざのある女性たちーー「問題経験の語り」の社会学』(生活書院、2009年)


日時:2022年11月30日(水曜日)18:30-20:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第54回

難民とセクシュアリティ――アメリカにおける性的マイノリティの包摂と排除

講師:工藤晴子さん
 「難民」と呼ばれる人々のなかには、非規範的とされるジェンダーやセクシュアリティを背景として移動を経験する人たちがいる。近年、国際的な人道支援分野においては「LGBTQI+難民」保護は重要課題として認識されている。本講演では人の国際移動、とりわけ強制移動と呼ばれる現象のなかにセクシュアリティの問題がどのように規定されてきたのか、また、性的マイノリティの人々が難民として移動する経験とはどのようなものなのか、アメリカ合衆国での調査をもとに議論したい。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(10月7日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

神戸大学大学院国際文化学研究科講師。専門は国際社会学、難民・強制移動研究、クィア移住研究、人道支援におけるGBV(ジェンダーに基づく暴力)。『難民とセクシュアリティ−アメリカにおける性的マイノリティの包摂と排除』(明石書店、2022年)


日時:2022年10月14日(金曜日)18:00-20:00
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:飯尾真貴子さん(一橋大学大学院社会学研究科・専任講師)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第53回

民主主義の場としての家族――国家中心的政治像の再検討

講師:田村哲樹さん
 近年、「民主主義」が注目を集めるようになっており、その中で民主主義の理念や制度の刷新も試みられている。しかし、その多くは、民主主義を国家・政府に関わるものとして捉えている点で共通している。これに対して本講演では、国家・政府の(しばしば)対極に位置する「家族」を、民主主義の場として捉え直すことを提案したい。もちろん、国家・政府における民主主義と家族における民主主義とでは、そこに参加するアクターも制度も異なる。本講演では、それにもかかわらず、両者を民主主義の場として同じものとみることは可能であること、また、その意味について論じたい。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(5月6日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

名古屋大学大学院法学研究科教授。博士(法学)。専門は政治学・政治理論。主な著作に、『ハーバーマスを読む』(共編、ナカニシヤ出版、2020年)、『日常生活と政治』(編著、岩波書店、2019年)、『熟議民主主義の困難』(ナカニシヤ出版、2017年)など。


日時:2022年5月13日(金曜日)10:45-12:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第52回

日本の台湾認識とジェンダー

講師:洪郁如さん
 台湾語の「日本時代」は1895-1945年に台湾が日本の植民地として統治された時期を指しています。この「日本時代」は、日本が最初の植民地統治を行った日本近代史における「台湾時代」と対になるはずですが、それぞれの歴史の記憶は非対称です。また、近年、台湾の近代化に貢献したとされる「父」たちが、日本のメディアや教育現場においても奇妙な形で取り上げられています。日本の台湾認識をめぐる従来の歴史の語りはどのような問題点を抱えているのか、それらを克服し理解の深化を促すにはどうすべきなのかを、ジェンダーの視角から議論します。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(11月28日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

一橋大学大学院社会学研究科教授。台湾彰化県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士(学術)。専門は近現代台湾史。主な著作に『誰の日本時代―ジェンダー・階層・帝国の台湾史』(法政大学出版局、2021年)、『近代台湾女性史―日本の植民統治と「新女性」の誕生』(勁草書房,2001年)など。


日時:2021年12月3日(金曜日)10:45-12:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第51回

離婚後の子の監護のあり方とジェンダー

講師:千田有紀さん
 子どものいる家族が離婚に直面したあと、子どもの監護はどのように再編されるべきであると考えられているのだろうか。家庭裁判所における離婚に関する実務の状況がどのようなものであり、そこではどのようなジェンダー観や子ども観が前提とされているのだろうか。とくに民法766条の改正以降の動きと、近年の親子法制にかんする民法改正の動きを踏まえ、離婚当事者のインタビューから得た知見によって、私たちの社会や家庭裁判所が前提としている家族に関する常識について、議論したいと思います。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(11月17日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

武蔵大学社会学部教授。1968 年、大阪府生まれ。専門は家族社会学、ジェンダーの社会学、現代社会学。著書に『日本型近代家族―どこから来てどこに行くのか』(勁草書房)、『女性学/男性学』(岩波書店)、共書に『ジェンダー論をつかむ』(有斐閣)、『離婚後の子の監護と面会交流』『離婚後の共同親権とは何か―子どもの視点から考える』『離婚後の子どもをどう守るか』(日本評論社)ほか多数。


日時:2021年11月24日(水曜日)18:30-20:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第50回

性愛規範と最小結婚:シェアハウス研究との接点から

講師:久保田裕之さん
 同性婚にせよ異性婚にせよ、私たちが結婚について考えるとき、恋愛によって結びついた一対の永続的な関係はその他の関係よりも重要で、質的に異なり、優遇されて当然だと思いがちです。しかし、それは本当なのか、そこに問題はないのか、もし問題があるとすればどのような結婚制度が望ましいのか、という疑問を突き詰めたのがエリザベス・ブレイク『最小の結婚』という本です。私自身のシェアハウス研究との接点から、この本のアイデアについて議論したいと思います。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(9月29日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

日本大学文理学部・教授。1976 年、群馬県生まれ。専門は家族社会学、福祉社会学、政治哲学。著書に『他人と暮らす若者たち』(集英社、2009 年)、共訳書にS・オーキン『正義・家族・ジェンダー』(岩波書店、2013年)、E・ブレイク『最小の結婚』(白澤社、2019年)など。


日時:2021年10月6日(水曜日)18:30-20:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:田中亜以子さん(一橋大学大学院社会学研究科・講師)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第49回

〈ヤンチャな子ら〉の大人への移行と男性性

講師:知念渉さん
労働者階級の少年たちはどのように学校を離れて仕事についていくのか。1970年代のイギリスでそのプロセスを描いたP.ウィリスの『ハマータウンの〈野郎ども〉』は、社会学的な若者研究に影響を与え続けている。英語圏における若者研究の展開をふまえつつ、〈ヤンチャな子ら〉への調査データを用いて、彼らの学校から仕事への移行プロセスを男性性という視点から考察する。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(7月14日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部講師。1985年、沖縄県生まれ。専門は教育社会学、家族社会学。著書に『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す』(青弓社、2018年)など。


日時:2021年7月21日(水曜日)18:30-20:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:山田哲也さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第48回

なぜ包茎は恥ずかしいのか――男性間支配と女性差別を架橋する歴史社会学

講師:澁谷知美さん
仮性包茎は不思議な存在である。日本人男性の多数派であるにもかかわらず、恥ずかしいものとされている。この恥の感覚はどのようにして形成されたのか。江戸後期から現代まで、医学書から週刊誌まで、ありとあらゆる包茎をめぐる言説を集めて、この問いにせまった。その結果、明らかになった恥の感覚を生みだす言説の定型とは。そして、「女性」を巻きこみながら男性が男性を支配するメカニズムとは。豊富な事例とともに解説する。
今回の講演はオンラインで行われます。要事前申し込み(4月21日締め切り)。お申し込みは こちら。


 講師紹介

1972年生まれ。専門は社会学、ジェンダー論。男性の性の歴史を研究している。著書に『日本の童貞』、『平成オトコ塾 悩める男子のための全6章』、『立身出世と下半身 男子学生の性的身体の管理の歴史』、『日本の包茎』など。


日時:2021年4月28日(水曜日)18:30-20:30
場所:zoom開催(申込みフォームにご記入いただいたアドレス宛にリンクを講演3日前に送信いたします。講演3日前を過ぎてもリンクが届かない場合はお手数ですが、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第47回

「サムライファンタジー」と「子供扱い」――日本文化を利用した在日米兵の軍事的男性性
Childish rules for “samurai warriors”: how Japanese culture is used to sustain American military masculinity

講師:カール・ゲイブリエルソンさん
 米軍は「在日米兵は現代のサムライ」という表現をよく使う。米兵がサムライであれば、日本には文化的な居場所があると駐留を正当化する考え方に陥る。そして日本の男性性の頂点になるというオリエンタルなファンタジーで海外派遣の士気も向上すると考える。しかし現実では門限など、アメリカ国内の基地より厳しい行動制限があり、自分が子供扱いされていると怒る軍人は少なくない。それに対し、日本人は神経質で不合理的という日本文化を作り出し、米軍自体から日本人への責任転換で自己の男性性を守る。本講演では、在日米軍基地でのフィールドワークをもとに、男性性の頂点に君臨しようとする「サムライファンタジー」と駐留先での「子供扱い」への反発が、いずれも日本文化を利用した在日米兵の軍事的男性性の発現であることを報告する。
 講演は日本語で行われます。ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

カリフォルニア大学サンタバーバラ校東アジア言語・文化研究学科博士課程在籍。2018年度国際交流基金日本研究フェローとして、名桜大学(沖縄県名護市)総合研究所の共同研究員。研究テーマは在日米軍基地を通して行われる日米文化交流。


日時:2019年7月3日(水曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学国立東キャンパス マーキュリータワー5階 3508室
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第46回

「占領期神戸・エゴドキュメントとしての女性軍属の手紙を読む」

講師:長志珠絵さん
 占領期の神戸には占領軍としての兵庫県地方軍政部とは別に、米軍の後方支援組織としての神戸ベースが組織され、かつ極めて重要な位置を占めていた。その神戸ベース勤務の女性軍属の手紙がまとまって存在する。この手紙はエゴドキュメントであると同時に彼女の経験を通して地域の占領期研究を豊富化するパーソナルメディアとしての性格を持つ。加えて、1940年代後半、デミリタリズムをミリタリズムの組織が遂行しようとする特殊な歴史的文脈のなかでの女性シビリアンの位置と役割、目線を立体的に見せてくれる素材である。報告ではテキストの位置付けや読み解きとともに初期占領期の外国軍隊内部の女性軍属の位置を考えたい。
 ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

神戸大学大学院国際文化学研究科教授。1962年生まれ。専門は日本近現代史。主な著書に、『歴史を読み替える――ジェンダーから見た日本史』(共編著、大月書店、2015年)、『ジェンダー史』(共著、山川出版、2014年)、『占領期・占領空間と戦争の記憶』(有志舎、2013年)など。


日時:2019年5月24日(金曜日)10:45-12:30
場所:一橋大学国立東キャンパス マーキュリータワー5階 3509室
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国内交流セミナー 第45回

「うろたえる男たち――女たちの告発に、私たちはいかに応えてきたか/応えるべきか」

講師:平山亮さん
 女たちが正義の回復を訴える時、男たちは、性をめぐる状況の定義が「奪われる」ことに反発し、自らの被害者性を示すことで、女たちの被る抑圧を「相殺」せんと企ててきた。それは、ハラスメントや痴漢の告発に、捏造・冤罪「被害」の強調で抗する男たちだけでなく、男性支配の構造を示した女性学に、男の「生きづらさ」の指摘で応えてきた男性学にも通じる。本講演では、こうした男たちのうろたえの構造を分析しつつ、不正義の告発に正面から向き合うことをめぐる男たちの課題を議論する。 ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム(介護・エンドオブライフ研究)研究員。
1979 年生まれ。2011年オレゴン州立大学大学院博士課程修了。Ph.D. (Human Development and Family Studies)。専門は社会学、ジェンダー論。現在は中高年期の親子関係と高齢者介護をテーマに、男性とケア、男性のケアの問題を研究。主な著書に『迫りくる「息子介護」の時代:28 人の現場から』(光文社新書、2014 年、共著)、『きょうだいリスク:無職の弟、非婚の姉の将来は誰がみる?』(朝日新書、2016 年、共著)、『介護する息子たち:男性性の死角とケアのジェンダー分析』(勁草書房、2017 年)。


日時:2019年1月25日(金曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学国立西キャンパス インテリジェントホール
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第44回

「ジェンダー、人種、文化ナショナリズム——外国人の話す日本語におけるジェンダー表現をめぐって」

講師:鈴木聡子さん
 メディアにおける言語とジェンダーの表現については様々な研究があるが、この発表では現代日本小説をデータとし、外国人キャラクター(日本以外で生まれ育ち、日本語を母語としないという設定の登場人物)の話す日本語に焦点を当てる。特にいわゆる男性語と呼ばれる表現を調べると、興味深い対比が見られる。日本語を話す外国人キャラクターには白人と東アジア人が多いが、小説家は白人には自称詞として「僕」を与え、東アジア人には「俺」やその他のより「男らしい」表現を与えるという特徴が見られる。このような対比が発生する背景には多様な要因があると思われるが、この発表では特に文化ナショナリズムと人種決定主義に注目して述べる。 ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

アメリカ合衆国ミネソタ大学大学院博士。1964年生まれ。現在、ミネソタ州セント・ポール市にあるマカレスター大学アジア言語文化学部にてドゥイット・ウォレス教授(DeWitt Wallace Professor)。日本語と日本社会言語学の授業を教える。専門は言語学。編著に Emotive Communication in Japanese (John Benjamins Publishing Company)。論文を The Journal of Pragmatics, Pragmatics, Japanese Language and Literature, Studies in Language Sciences, Linguistics などのジャーナルに発表。現在は、言語イデオロギーについて研究を行う。


日時:2019年1月9日(水曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学国立東キャンパス マーキュリータワー4階 3406室
司会:ソニア・デールさん(社会学研究科・専任講師)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第43回/一橋大学国際社会学プログラム共催

「ポストコロニアル世界のイスラームと女性・ジェンダー」
Thinking Women and Gender in relation to Islam(s) in the Postcolonial World

講師:ザフラ・アリさん
 2016年夏、ブルキニが「女性の奴隷化」を助長するとして禁止する自治体がフランスで相次いで話題になりましたが、このように現代社会でイスラームは「女性抑圧の宗教」と表象されがちです。しかし極端なイメージが先行する一方、イスラーム世界で生きる女性たちが権利拡大を目指して日々どのような戦いや実践を行っているのかについては十分に知られていません。米軍占領下のイラクで女性に聞き取り調査を重ねたザフラ・アリさんに、イラクの女性運動の事例を出発点に、イスラーム世界における女性とジェンダー、フェミニズムの現状と未来についてお話しいただき、「イスラーム」と「フェミニズム」の接続点と可能性について考えます。
 講演は英語で行われ、逐次通訳がつきます。ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

社会学者、ラトガース大学専任講師。専門は、イスラーム世界、中近東、特に現代イラクを中心とした戦争・紛争下における女性、ジェンダーと政治運動。また(ポスト)植民地主義とフェミニズムをめぐる認識論にも関心を寄せる。2015年フランス社会科学高等研究院に提出した博士論文を元にした単著 Women and Gender in Iraq: between Nation-building and Fragmentation (Cambridge University Press, 2018) のほか、編著にFéminismes Islamiques (La Fabrique 2012)、Pluriversalisme Décolonial (Kimé, 2017)がある。


日時:2018年9月21日(金曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス 第三研究館3階 研究会議室
司会:森千香子さん(一橋大学大学院社会学研究科・准教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国内交流セミナー 第42回

「感情を管理される日本軍兵士たち――軍事化されたマスキュリニティと戦争神経症」

講師:中村江里さん
 20世紀の総力戦では、長期に及ぶ大量殺戮戦争の中で精神的な不調を示す将兵が出現し、「戦争神経症」として軍部の関心事となりました。日本軍が本格的な戦争神経症対策に乗り出すのは日中戦争以降のことですが、この問題は戦後長らく忘却されてきました。
 本報告では、陸軍病院の医療記録を用いて、ジェンダーと階級という複合的な社会の構造が軍医たちの疾病解釈にどのような影響を及ぼしたのかを分析し、戦後日本におけるトラウマの長期的な忘却の背景について考察します。
 ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

1982年生まれ。専門は日本近現代史。アジア・太平洋戦争期の日本を事例に、トラウマと医療・社会について研究している。主要編著に『戦争とトラウマ――不可視化された日本兵の戦争神経症』(吉川弘文館、2018年)、『資料集成 精神障害兵士「病床日誌」』第3巻、新発田陸軍病院編(編集・解説、六花出版、2017年)など。


日時:2018年6月27日(水曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学 東キャンパス マーキュリータワー5階 3508室
司会:佐藤文香さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第41回

「国際社会学とジェンダー研究の未来――伊藤るりさんとともに考える」

講師:伊藤るりさん
伊藤さんは2017年度を最後に本学を退任し、2018年度からは津田塾大学総合政策学部へ転任なさいます。そこでこれを一つの区切りとして、伊藤さんが本学着任以来取り組んできた課題であるフィリピン人家事労働者について講演していただくとともに、国際社会学とジェンダー研究の未来について皆さんと議論する機会としたいと思います。前半は「CGraSS公開レクチャー」の一環という形で、後半は各時代に研究を共にした人々や各大学の教え子と国際社会学とジェンダー研究の展望を話すという形式で進めます。また、そ の後に、参加者とともに今後へ希望を語り合う懇親会(会費制)も開催します。


 講師紹介

1954年生まれ。フランス社会科学高等学院社会学専攻博士課程修了(社会学博士)。一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は国際社会学、国際移民のジェンダー分析。2007年の本学着任後、パリ地域のフィリピン人家事労働者の国際移動や就労・生活状況の調査研究を通して、再生産領域のグローバリゼーションについての検討をおこなってきた。2017年度に本学を定年退職、2018年度に津田塾大学総合政策学部に着任(予定)。主な著作に『国際移動と〈連鎖するジェンダー〉――再生産領域のグローバル化』(共編著、作品社、2008 年)、『モダンガールと植民地的近代――東アジアにおける帝国・資本・ ジェンダー』(共編著、岩波書店、2010年)、天野正子・ 伊藤公雄・伊藤るり・井上輝子・上野千鶴子・江原由美子・大沢真理・加納実紀代編集委員/斉藤美奈子編集協力編『新編 日本のフェミニズム9 グローバリゼーション』(編著、岩波書店、2011 年)、”Negotiating Partial Citizenship under Neoliberalism: Regularization Struggles among Filipino Domestic Workers in France (2008–2012),” International Journal of Japanese Sociology (March, 2016) など。

日時:2018年1月19日(金曜日)13:30-17:45
場所:一橋大学 佐野書院
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

講演終了後に、伊藤さんを囲む懇親会を開催いたします。【懇親会へのご参加のみ予約が必要】です。
予約先:政治学・国際社会学共同研究室(042-580-8803)
下記のリンクにアクセスして、お名前とご所属、Eメールをご記入ください。
※準備の都合上、1月12日までにエントリーをお願いします。 https://goo.gl/forms/azrtu3TDeMJayjCK2

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国内交流セミナー 第40回

「『裸足で逃げる』の若者たちの生育環境・ネットワーク・暮らすこと」

講師:上間陽子さん
風俗業界で働く若者の暮らしやネットワークは必ずしも十分に議論されてきていません。今回の公開レクチャーでは、沖縄の風俗業界で働く若い女性たちの継続調査をもとに、注目の書『裸足で逃げる』を発表された、上間陽子さんをお招きし、彼女たちが受けてきた暴力、彼女たちにとっての風俗産業で働くことの意味づけ、彼女たちの家族やネットワーク形成の特徴、介入や支援の方法、さらに日本の若者の状況との関連についてお話いただきます。


 講師紹介

1972年、沖縄県生まれ。専攻は教育学・生活指導。ユースサブカルチャー・生活指導の視点から、現代女子高生の生徒文化とジェンダー、非行少年少女と貧困・社会的排除をめぐる問題を研究。1990年代後半から2014年にかけて東京で、以降は沖縄で未成年の少女たちの調査・支援に携わる。主な研究業績は、論文「風俗業界で働く女性のネットワークと学校体験」(教育社会学研究96集・2015年)共著『若者と貧困』(明石書店・2009年)、今回のセミナーで言及される単著『裸足で逃げる』(太田出版・2017年)など。

日時:2017年6月30日(金曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学 東キャンパス 東2号館 2階 2201
司会:山田哲也さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国際交流セミナー 第39回

「台湾の同志(LGBT)運動と文学―東アジアの基層文化と性のあり方を考える」

講師:橋本恭子さん
現在、日本における性的マイノリティの研究は、クィアスタディーズの圧倒的影響下にあるため、「多様性」(ダイバーシティ)が謳われる割には、アメリカ一国主義・英語中心主義・新植民地主義の単一的価値観、直線的進歩史観に陥っているように見受けられます。そこで本報告では、近年、東アジアで目覚ましい成果を上げている台湾の「同志(LGBT)運動」と、それを理念的な側面から支えてきた「同志文学」に焦点を当て、クィアスタディーズの功罪を検証すると同時に、新たな研究の視点を提起していきただきます。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

橋本恭子さんは、一橋大学言語社会研究科博士課程修了、一橋大学博士(学術)。日本社会事業大学、津田塾大学、東洋大学、横浜創英大学非常勤講師。専門分野:比較文学、台湾文学。日本統治時代の台湾文学を台北帝国大学の比較文学者島田謹二を中心に研究してきた。現在は、島田の香港時代に焦点を当て、占領下・戦時下における日中知識人の交流を考察している。また、ここ三年ほど台湾の同志文学・同志運動の研究に取り組み、東京都多摩地区に根ざした性的マイノリティ支援団体「虹色とんちー」のメンバーとしても活動している。主著は『《華麗島文学志》とその時代―比較文学者島田謹二の台湾体験』(三元社、2012年)、『島田謹二――華麗島文學的體驗與解讀』(涂翠花・李文卿訳、台湾:台大出版中心、2014年)など。

日時:2017年5月12日(金曜日)10:45-12:15
場所:一橋大学 マーキュリータワー5F 3508
司会:洪郁如さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国内交流セミナー 第38回

「大学・教育とセクシャルマイノリティ(LGBT)―大学にできる支援について考えよう」

講師:遠藤まめたさん・松岡宗嗣さん
セクシュアルマイノリティのために、大学でどのような支援ができるでしょうか?このたび、活動家の遠渡まめたさんと松岡宗嗣さんを招待し、大学でできるセクシュアルマイノリティの支援について考える講演会を開きます。講演のあとに、たっぷりディスカッションの時間を設けているので、ぜひ、この対談にご参加ください。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

遠藤まめたさんは、トランスジェンダー当事者としての自らの体験をきっかけに約10年ほどLGBTの若者支援や自殺対策に関わっている。著書に「先生と親のためのLGBTガイド 〜もしあなたがカミングアウトされたなら」(合同出版)ほか。松岡宗嗣さんは名古屋市生まれ、明治大学在学中のオープンリーゲイ。LGBTについての出張授業等を展開するNPO法人ReBit所属。LGBT支援者であるALLYを増やすキャンペーンMEIJI ALLY WEEK代表。

日時:2016年11月18日(金曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学 第三研究館 研究会議室
司会:ソニヤ・デールさん(一橋大学社会学研究科・特任講師)、大島岳さん(一橋大学社会学研究科・博士課程)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国際交流セミナー 第37回

「現代ドイツにおけるフェミニズムと反フェミニズム運動」

講師:イルゼ・レンツさん(ルール・ボーフム大学名誉教授)
反フェミニズム運動はいまや国際的な潮流となって、現代社会に展開されています。ドイツにおいて、フェミニズムは価値観や法規範の変容には効力を発揮してきたものの、ジェンダー平等は実現してきませんでした。しかし、社会不安が増すなか、反フェミニズム運動家は、男性に平等を要求する「フェモクラシー」のもとで、今日、社会を統治しているのは女性だと主張しています。ネオリベラルなナショナリストの新しい団体であるAfDは「生物学的」なジェンダー役割や、人口政策、厳格な反中絶法を再び伝統化することを主張しています。
本講演では、ルール・ボーフム大学よりイルゼ・レンツさんをお招きし、男性主義的なネットワーク型の反フェミニズム運動から、伝統化された家族主義的な団体の反フェミニズム運動への移行を、国際的な視点から分析していただきます。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

専門は社会学、社会構造およびジェンダー研究。ミュンスター大学、デュースブルク大学、ベルリン自由大学で教鞭をとり、東京大学、お茶の水女子大学でも客員教授を務めた。前みち子教授と共に、日本のジェンダー研究のワークショップをコーディネートした経験もある。新著に、Gender, Migration, Future. How Germany is Changing, (Leverkusen, 2016) 。

日時:2016年10月14日(金曜日)14:30-16:30
場所:一橋大学 マーキュリータワー3406教室
司会:大河内泰樹さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

 

講演は英語で行われ、逐次通訳をつけます。【講演へのご参加は無料・予約不要】です。
講演終了後に、レンツさんを囲む懇親会を開催いたします。【懇親会へのご参加のみ有料・予約が必要】です。
会費(含飲食代):一般1,500円 学生1,000円
予約先:下記のリンクにアクセスして、お名前とご所属、Eメールをご記入ください。
※準備の都合上、10月7日(金)までにエントリーをお願いします。 https://goo.gl/forms/6tmcUPNYXzGxjddI2

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国際交流セミナー 第36回

「誘惑の舞台:夢を売る商売 ―東京ホストクラブ」

講師:竹山明子さん(カンザス大学准教授)
「自分が商品」と自負し、「夢を売る商売」に日夜精を出すホスト。「ときめきたい」「夢を見させてほしい」とクラブ通いする女性客。非物質的な感情、夢、そして自己実現の過程を商品化するクラブ経営。一見すると自由意思に基づいた労働の提供・サービスの消費は関係者すべてを「満足」させ「享楽」に誘うホストクラブ現象。
本講演ではカンザス大学から竹山明子さんをお招きし、ホストクラブ現象について、ジェンダーを軸に新自由主義的構造改革下における自己実現と自己責任を考えながら講演していただきます。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

竹山明子さんは文化人類学博士。研究分野はジェンダー、親密さの商品化、新自由主義的グローバリゼーションなど。 米国イリノイ大学にて博士号を取得後、2007年より現職。著書にStaged Seduction: Selling Dreams in a Tokyo Host Club(スタンフォード大学出版2016)

日時:2016年7月6日(水曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学 第三研究館3階 研究会議室
司会:ソニア・デールさん(一橋大学社会学研究科・特任講師)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国内交流セミナー 第35回

「錯綜する<男らしさ>のポリティクス―プロ・フェミニスト運動の可能性と課題」

講師:多賀太さん(関西大学文学部教授)
多賀さんは教育社会学の立場から男性性について批判的に分析をしつつ、日本の男性学を常にけん引し続けてきた研究者です。本レクチャーではジェンダー・ポリティクスの錯綜状況に対する男性たちの反応として、国内外における男性運動と男性学の様々な流れの見取り図を示し、それぞれのポリティカルなスタンスについて検討を加えます。そして、女性への暴力撲滅に男性主体で取り組む世界的啓発運動である「ホワイトリボンキャンペーン」を事例に取り上げ、プロ・フェミニスト(フェミニズムに共感的な男性の)男性運動の可能性と課題について講演していただきます。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

多賀太さんは関西大学文学部教授、専門は教育社会学、男性学。一般社団法人ホワイトリボンキャンペーン・ジャパン 共同代表。著書に『男子問題の時代?―錯綜するジェンダーと教育のポリティクス』(学文社、2016)、『男性の非暴力宣言』(岩波書店、2015、共著)、『揺らぐサラリーマン生活』(ミネルヴァ書房、2011、編著)『男らしさの社会学』(世界思想社、2006)、『男性のジェンダー形成』(東洋館出版社、2001)など。


日時:2016年6月17日(金曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学マーキュリータワー 3406教室
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国内交流セミナー 第34回

「何を怖れる ―フェミニズムを生きた女たち」
©岡田雅樹撮影

講師:上野千鶴子さん(立命館大学特別招聘教授)
1970年代 にウーマンリブが産声をあげてから約40年が経ちました。社会に向けて「NO」と叫んだ20代・30代の女性たちもいまや60代・70代。 偏見や誤解に晒されながらも、彼女たちは自らを「フェミニスト」と名乗り、女たちとのつながりを築いてきました。 本 LSではフェミニストのパイオニアたちのドキュメントリー映画『何を怖れる―フェミニズムを生きた女たち』(松井久子監督/111分)を鑑賞します。 その後、映画の出演者の一人でもある上野千鶴子さんをお招きし、お話しをうかがいます。 日本の代表的なフェミニストとして人生を歩んでこられた上野さんとともに、フェミニズムのこれまで、そしてこれからを考える機会にしたいと思います。
参加無料。予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

上野千鶴子さんは東京大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。 日本を代表する社会学者・ジェンダー研究者であり、フェミニストの論客である。研究分野はジェンダー、セクシュアリティ、ナショナリズム、ケアなど多岐にわたる。 1994年に『近代家族の成立と終焉』(岩波書店)でサントリー学芸賞受賞。『家父長制と資本制』(岩波現代文庫)、『ナショナリズムとジェンダー』(岩波現代文庫)、 『生き延びるための思想』(岩波現代文庫)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『ケアの社会学』(太田出版)など著書多数。


日時:2015年10月23日(金曜日)16:30-19:30
場所:一橋大学東2号館2301教室
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国際交流セミナー 第33回

「ヴェールの政治学――ジェンダー・身体・植民地主義」

講師:サミア・シャラさん(映像作家)、アブデラリ・アジャットさん(パリ西大学准教授)
今年1月にパリでテロ事件が起きて以来、フランスではムスリム移民への嫌がらせや暴力行為が急増し、なかでもヴェールを着用する女性への攻撃が激しくなっています。「人権の国」を自称するフランスで、マイノリティの女性が着用する衣服=ヴェールがこれほどの攻撃に晒されているのはなぜか?この問いを考えるため、在仏アルジェリア人映像作家のサミア・シャラさんによる自伝的ドキュメンタリー映画『マダム・ラ・フランス—私はなぜムスリムになったのか』(2012年/52分/日本語字幕付) を鑑賞し、その後シャラさん、そして社会学者のアブデラリ・アジャットさんとともに、ヴェール攻撃の背後でジェンダー、身体、そして植民地主義の問題がどのように絡み合っているのかを考えていきます。

予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

サミア・シャラ(映像作家)さんは映像作家・フェミニスト。1980〜90年代にアルジェリアの女性解放運動に参加し、その後フランスに亡命。以降、映像作家としてアルジェリア、女性、亡命、移民、非正規滞在などをテーマにドキュメンタリー映画の制作に携わる。近年の作品として、今回上映するドキュメンタリーのほかに「平等への行進ーー忘れられた反レイシズム運動の軌跡」 (2013)など。
アブデラリ・アジャット(パリ西大学准教授)さんは社会学者。専門は移民問題、ポストコロニアル研究でフランスのイスラムフォビア研究の第一人者。
近著に、La marche pour l’égalité et contre le racisme, Editions Amsterdam, 2013 ; Islamophobie, Comment les élites françaises fabriquent le problème musulman, Editions du Seuil, 2013 など。


日時:2015年7月15日(水曜日)16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス、第三研究館3階 研究会議室
司会:森千香子さん(一橋大学大学院法学研究科・准教授)
[主催]平成27年度科学研究費プロジェク ト「EUにおけるレイシズムの新展開と社会構造の比較研究」
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国際交流セミナー 第32回

「Narcopolitics, Necropolitics and Femicide: Lessons from Mexico
麻薬政治、死政治、女性殺人――メキシコからの教訓」

講師:Melissa Wright/メリッサ・ライトさん(ペンシルベニア州立大学地理学科、並びに女性学科教授)
1990年代、メキシコでは不処罰の女性殺人に抗議するフェミニストのたたかいが展開され、国際的注目を集めました。この講演では、正義を求めるフェミニストの運動を、北米の9.11以降の治安強化と新自由主義的政治経済の文脈に位置づけ、使い捨て労働力に依拠するグローバル経済の象徴的、及び物質的諸過程の相乗効果を検討していきます。

予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

Melissa Wright/メリッサ・ライトさんは地理学者、フィールドは米墨国境地帯。ハーバード大学で修士号(ラテンアメリカ地域研究)取得後、
ジョン・ホプキンズ大学で博士号(地理学)取得。
著作に、Disposable Women and Other Myths of Global Capitalism (Routledge, 2006)、
共編著に、The Point Is To Change It: Geographies of Hope and Survival in an Age of Crisis (Wiley Blackwell, 2010)ほか多数。

 

日時:2015年6月24日(水曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス、マーキュリータワー5階 3508室
司会:伊藤るりさん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ/一橋大学国際交流セミナー 第31回

「Slavery, Islam and the Making of Race and Sex in South Africa
南アにおける奴隷制、イスラム、そして人種と性の構築」

講師:Gabeba Baderoon/ガベバ・バデルーンさん(ペンシルベニア州立大学女性学科准教授)
一般に、南アの歴史は、アパルトヘイト(1948-94)と分かちがたく結びつけられていますが、ムスリムの存在についてはあまり知られていません。このレクチャーでは、詩人でもあるバデルーンさんをお招きし、オランダ人の奴隷、あるいは自由な使用人として連れてこられたムスリムの歴史を通して、南アにおける人種と性の構築について考えていきます。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

Gabeba Baderoon/ガベバ・バデルーンさんは南アフリカ共和国出身の詩人。詩集にThe Dream in the Next Body (Kwela/Snailpress, 2005), The Museum of Ordinary Life (Daimler Chrysler, 2005), A Hundred Silences (Kwela Books, 2010)など。
南ア詩・ダイムラー・クライスラー賞(2005)。ケープタウン大学より学位(英文学)取得。学位論文をもとに、昨年、RegardingMuslims: From Slavery to Post-Apartheid (Wits, 2014)を刊行。


日時:2015年4月24日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス、マーキュリータワー4階 3405室
司会:中井亜佐子さん(一橋大学大学院言語社会研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第30回

「親密な関係にかんする市民権――異国籍同性カップルが日本で子どもを産み育てる場合」

講師:青山薫さん(神戸大学国際文化学研究科教授)、リル・ウィルスさん(心理カウンセラー)
家族になること。一緒に暮らすこと。子どもを産むこと、育てること。親になること。
私的で親密な領域で行われるとされていることも、実際には、地域、職場、国といったさまざまな公的な領域における制度や習慣と重なっています。国籍の違う同性のパートナー同士が日本で生活を築こうとすれば、血縁主義、戸籍制度と国籍制度、国境を越える移住の制限、職業選択や社会保障の制限など、あらゆる分野で普段は見えない壁が立ち現れます。〈ヘテロ〉セクシズムとナショナリズムとレイシズムが個々人の権利にどのように挑戦するか、具体的に実感できるというわけです。
今回は、研究者青山薫さんと心理カウンセラーのリル・ウィルスさんをお招きし、お二人の経験から、「異国籍の同性カップル」が日本で子どもを産み育てようとすると何が起こるかを、日々の人間関係から国家の法制度までにつなげ、多層的にお話ししていただきます。
予約は不要です。ふるってご参加ください。


 講師紹介

青山薫(あおやま かおる)さんは神戸大学国際文化学研究科教授。研究分野およびテーマは、社会学、ジェンダー/セクシュアリティ、移住、性労働など。主著に『「セックスワーカー」とは誰か』(2007年、大月書店)、Thai Migrant Sexworkers from Modernisation to Globalisation, Palgrave Macmillan, 2009.
リル・ウィルス(Lil Wills)
心理カウンセラー。ロンドンの家族・子ども支援NPOで5年、コルチェスターの性暴力サバイバー支援NPOで7年間勤務。現在は、神戸でEnglish Counseling Kansai主催。


日時:2015年2月2日(月曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学・佐野書院(JR 中央線国立駅南口より徒歩約12分  佐野書院 案内図 Route to Sano Shoin Hall
司会:宮地尚子さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
[主催]平成26年度科学研究費プロジェク ト『トラウマとジェンダーの相互作用:精神病理・逸脱・創造性』
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第29回

「いま、男子の性は~私は大学生に何を学ばせようとしたか」

講師:村瀬幸浩さん(日本思春期学会名誉会員、"人間と性"教育研究協議会幹事、季刊『SEXUALITY』副編集長)
26年の間に私の講義のポイントは動いてきましたが、5年ほど前から今回のテーマ「いま、男子の性は~私は大学生に何を学ばせようとしたか」に落ち着いてきました。男子の性というとどうも男性にのみ焦点が当たるように思われるでしょうが、女子がこのことを学ぶことにも格別の意味があります(ということを女子学生から学びました)。同時に女子の性について男子が学ぶことも同様に大きな意味があります。要は「関係性」のもんだいですから、当然ではありますが、そのことに気づくかどうかは生涯の性と生にとって決定的に大きなことだと思います。


 講師紹介

村瀬幸浩さんは、本学で26年間にわたり「ヒューマンセクソロジー」を担当し、単なる異性間の性教育を越えて、個人の性を見つめ直し、そこから支配-被支配ではない人間同士の「柔らかい関係性」を育てることを提唱してきた。長い研究・教育経験を踏まえ、近著では、あらためて「男子」「男性」を見つめ直すことを通して、その新たな関係づくりに役立つものを論じている。【主な著書】『男子の性教育-柔らかな関係づくりのために』(2014年、大修館書店)、『男性解体新書』(1993年、大修館書店)、『性教育のこれまでとこれから』(1990年、大修館書店)、『恋人とつくる明日』(2006年、十月舎)、『性のこと、わが子と話せますか?』2007年、集英社)、『性愛~大人の心と身体を理解していま すか』(渥美雅子共著、2008年、柏書房)、『素敵にシニアライフ~老いに向かって生きるふたり』(村瀬敦子共著、2008年、大月書店)、『すてきな夫婦暮らし』(村瀬敦子共著、2009年、旬報社)


日時:2014年12月12日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学・佐野書院(JR 中央線国立駅南口より徒歩約12分 佐野書院 案内図 Route to Sano Shoin Hall
司会:坂なつこさん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第28回「日本占領と性 ―性暴力、売買春から親密な関係まで」

第1レクチャー「日本占領とジェンダー―米軍・売買春と日本女性たち」

講師:平井和子さん(一橋大学社会学研究科特任講師) 16:30-17:15
「兵士には性的慰安が必要。それを欠くと暴走する」という認識(「男性神話」)は、女性を、護るべき女性(「良家の子女」)/差し出すべき女性(売春婦)に二分化し、軍「慰安所」を作り出す「性の防波堤論」を支えてきた。 本報告では、占領軍の進駐に際して、敗戦国が用意し、戦勝国軍が利用した、RAAなどの占領軍「慰安所」の全体像と、そこで実施された「日米合作の性管理」が組織的性暴力であったことを明らかにする。現在も深刻化する軍事主義に抗するために、分断され続けてきた女性たちの「出会い直し」の道を探りたい。


 講師紹介

平井和子さんは、静岡大学、大妻女子大学等で非常勤講師を経て、現在一橋大学ジュニアフェロー。 専門は、近現代女性史・ジェンダー史。特に占領期の性政策、米軍基地と売買春のに関する研究をしてきたが、さらに「軍隊と性暴力」の密接な関係究明に向けて日米の兵士のセクシュアリティ研究を進めたい。
著書・論文
『日本占領とジェンダー―米軍・売買春と日本女性たち』(有志舎、2014年)、『「ヒロシマ以後」の広島に生れて―女性史・ジェンダー・ときどき犬』(ひろしま女性学研究所、2007年)など。


第2レクチャー「パンパンとは誰なのか-キャッチという占領期の性暴力とGIとの親密性」

講師:茶園敏美さん(京都大学学際融合研究推進センターアジア研究教育ユニット(KUASU)研究員) 17:15-18:00
本報告では、占領期のGHQ主導の性病検診が、おんなたちへの性暴力だったことに焦点を当てる。性病検診のために強制的に検挙されたおんなたちは、パンパン(占領軍将兵相手の街娼)という蔑称で、更生や救済の対象として表象されてきた。現在でも彼女たちは自身の尊厳を奪われたまま、沈黙している。パンパンとみなされた彼女たち自身のライフヒストリーの記録から、おんなたちの連帯の可能性を呈示し尊厳回復への支援につなげたい。


 講師紹介

茶園敏美さんは、大阪大学大学院文学研究科博士課程修了、大阪大学博士(文学)。現在、京都大学学際融合教育研究推進センターアジア研究教育ユニット研究員。専門は、ジェンダー史、他者表象、パンパン、占領期の性病検診、性暴力等。占領期の性病の強制検診をジェンダーの視点で考察。
著書・論文『パンパンとは誰なのか―キャッチという占領期の性暴力とGIとの親密性』(インパクト出版会、2014年)、「「闇の女」と名づけられること―占領期神戸市における一斉検挙と強制検診」(『同志社アメリカ研究』49号、2013年) など。


日時:2014年11月21日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学第三研究館研究会議室(JR 中央線国立駅南口より徒歩約6分)
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・准教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第27回「戦時、日中映画のモダニズムとジェンダー」

日中戦争から太平洋戦争にかけての時代にあってモダン文化の中心ともなった日本/中国の映画とその社会についての注目の研究書、『モダン・ライフと戦争――スクリーンのなかの女性たち――』(吉川弘文館、2013)と『戦時日中映画交渉史』(岩波書店、2010)の著者たちをお招きして講演会を開催いたします。
日時:2014年6月13日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学第三研究館研究会議室(JR 中央線国立駅南口より徒歩約6分)
司会:坂元ひろ子さん(一橋大学大学院社会学研究科・特任教授)
ディスカッサント:島村輝さん(フェリス女学院大学文学部教授:日本近代文学)

第1レクチャー「モダン・ライフ映画が提起するもの-見えない中国・日本社会の二重構造」

講師:宜野座菜央見さん(明治大学・大阪芸術大学兼任講師:近代日本史) 

大衆文化が活気づいた1930年代。日中戦争下、日本映画は戦争映画で戦場と銃後をつなぎながらモダン・ライフを描く映画を提供し続けた。この現象が示唆するのは何か、『モダン・ライフと戦争』が論じなかった点を報告する。


第2レクチャー「越境する映画、引き裂かれた表象-戦時日中映画交渉に見るジェンダー」

講師:晏妮 さん(本学社会学研究科客員教授:比較映画史、映像学) 
欧米一辺倒だった日中両国映画界は、日中戦争期に非対称の関係下で接触を開始、映画製作や輸出入を行った。戦争相手国に進出した作品における表象とスター女優の身体に絞って、ナショナリズム、コロニアリズムとジェンダーの視点をいれて多角的に検証する。
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第26回

第1レクチャー「<家族と企業社会>をジェンダーでつなぐ」

講師:木本喜美子さん(本学社会学研究科教授) 

日時:2014年2月27日(木曜日) 14:10-15:50
場所:一橋大学佐野書院(JR 中央線国立駅南口より徒歩約12分)
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・准教授)
家族社会学と労働社会学の隔たりを埋める試行錯誤は、大企業労働者の社会的性格に関する調査研究から始まった。<家族・ジェンダー・企業社会>との着想を得たプロセスをふりかえるとともに、今日的な変動状況と課題を問う。ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

木本喜美子さんの専門は家族と労働の社会学。家族に焦点をおき労働との関連構造を把握する実証研究から出発し、労働組織におけるジェンダー関係に関する調査研究、戦後日本の女性労働史を再構成する調査研究に従事している。単著Gender and Japanese Management(Trans Pacific Press)、『女性労働とマネジメント』(勁草書房)、共編著『社会政策のなかのジェンダー』(明石書店)、『ジェンダーと社会-男性誌・軍隊・セクシュアリティ』(旬報社)など多数。『家族・ジェンダー・企業社会』(ミネルヴァ書房)により1996年社会政策学会奨励賞受賞。CGraSS創設メンバーであり、2007-2010年度まで共同代表をつとめた。


第2レクチャー「中国近現代思想文化史研究とジェンダー」

講師:坂元ひろ子さん(本学社会学研究科教授) 

日時:2014年2月27日(木曜日) 16:00-17:40
場所:一橋大学佐野書院(JR 中央線国立駅南口より徒歩約12分)
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)
単性思考がメジャーの関係学界において、ジェンダー視角の導入は、とりわけ日本では先駆的、「事件」とさえならざるをえなかった。すると暗黙の「忌避」領域にふみこむことにも。纏足、優生学、モダンガール、戦時性暴力等々…ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介

坂本ひろ子さんの専門は中国近現代思想文化史、アイデンティティ・ポリティクス(エスニシティとジェンダー)、中国圏文化批評。エスニシティや階層に、ジェンダー、身体性という観点等を交差させることで、中国近現代の諸問題、とりわけナショナリズムのあらわれ方を研究してきた。単著として『連鎖する中国近代の“知”』(研文出版)、『中国民族主義の神話』(岩波書店)、責任編集として『新編原典中国近代思想史』(岩波書店)、共編著として『モダンガールと植民地的近代』(岩波書店)、『「反日」と東アジア』(ソミョン出版)、『アジア新世紀』(岩波書店)など多数。2011-2012年度CGraSS共同代表をつとめた。

 

終了後、会費制にて懇親会を開催します (常勤職の方3000円、学生等上記以外の方1000円)。参加希望の方は準備の都合上、2月13日(木)までに、下記のサイトからお申し込みください。⇒ http://goo.gl/0wlA95 

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第25回

〈サバルタン女性〉はいかにして公共圏の担い手となりうるか?―在日朝鮮人女性による夜間中学独立運動から-

講師:徐阿貴さん(お茶の水女子大学ジェンダー研究センター研究協力員) 
1990年代、東大阪市で公立夜間中学をめぐり、生徒の大半を占めていた在日朝鮮人女性が行政闘争を展開しました。教育の場の保障を求めたこの運動は、社会の片隅に置かれてきた在日朝鮮人女性たちが植民地支配の問題を提起し、地域において対抗的主体を形成する契機となりました。ジェンダー、民族、階級等により社会的に排除されてきた在日朝鮮人女性は、いかにして能動的に社会関係を切り結ぶ主体となりえたのでしょうか。マイノリティの教育権や移民女性の主体形成といった今日につながる問題として考えていきます。ふるってご参加ください。予約は不要です。


 講師紹介


徐阿貴さんは、トロント大学で社会学修士、お茶の水女子大学で社会科学博士取得。専門は社会学(エスニシティ、ジェンダー論)。在日朝鮮人女性、韓国の移住女性の社会活動を調査している。『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成―大阪の夜間中学を核とした運動』(御茶の水書房)により山川菊栄賞、ことばとジェンダー賞特別賞受賞。2013年度、梨花女子大学韓国女性研究院客員研究員。


日時:2014年1月20日(月曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3503(いつもと教室が違います)
司会:伊藤るりさん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)

お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第24回

フェミニスト魂を捨てずに、研究者としてのキャリアを追求できるか?
―Can One Make an Academic Career and Keep One's Feminist Soul?―

講師:シンシア・エンローさん(クラーク大学) 
「女性たちはどこにいるの?」―シンシア・エンローさんは、フェミニスト的好奇心をもって問いをたてることの重要性を一貫して主張し、ご自身の研究を実践してこられました。フェミニスト研究者のたてる問いは、フェミニストの立場をとらない研究者が「自然」であるとか、変えるにはあまりに堅固であると考える信念や実践をめぐるものでもあります。「あなたの研究は政治的すぎて学問とは言えない」、「あなたの研究は現実を変えることにまったく役立たない」という論難のある中で、フェミニスト魂を捨てずに、研究者としてのキャリアを追求することはいかにして可能でしょうか? この講演では、エンローさんが批判に向きあいながら、パイオニアとして歩まれてきたフェミニスト研究者としての人生を語っていただきます。(使用言語 英語、通訳がつきます)


 講師紹介

シンシア・エンローさんの専門は比較政治学、女性学。1989年のBananas, Beaches and Basesは、国際政治学・国際関係論のジェンダー分析の展開に大きなインパクトを与えた。Does Khaki Become You? からSeriously!にいたるまで、多数の著作は世界中のフェミニスト研究者・活動家に読み継がれており、日本でも『戦争の翌朝』、『策略』の翻訳や『フェミニズムで探る軍事化と国際政治』の講演録がある。

日時:2013年12月9日(月曜日) 15:00-17:40(14:40開場)
場所:一橋大学西キャンパス 本館21番教室 
司会:佐藤文香さん(一橋大学大学院社会学研究科・准教授)

お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第23回

生殖技術と社会―不妊治療と再生医療がもたらしたもの―

講師:柘植あづみさん(明治学院大学社会学部教授) 

不妊治療と治療が難しい病気を治すための再生医療、一見、あまり関係ないように思われます。でも、再生医療のES細胞を作るには、体外受精で凍結保存した受精卵を資源にします。クローンES細胞は、女性から卵子を提供してもらう必要があります。現在、iPS細胞から人の卵巣・卵子、精巣・精子をつくる研究が進められています。それらは、再生医療だけではなく不妊治療に使うことも想定されています。人生から切り離された卵子・精子を生み出し、流通させる社会の課題を考えます。予約は不要です。


 講師紹介

柘植あづみさんは、お茶の水女子大学大学院博士後期課程単位取得退学、学術博士出生前診断、不妊治療に関するインタビューから、技術と社会・ジェンダーの関係を検討している。著書『生殖技術―不妊治療と再生医療は社会に何をもたらすか』(みすず書房)など。

日時:2013年11月15日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3508 
司会:宮地尚子さん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)

お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第22回

政治的代表制とジェンダー-韓国の女性大統領をめぐって-

講師:申琪榮(シン・キヨン)さん(お茶の水女子大学大学院准教授) 

2012年12月に行われた韓国の第18回大統領選挙では、与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)氏が51.6%を得票し当選しました。朴大統領は、韓国のみならず東アジア初の女性の国家元首です。近年まで女性の政治進出が極めて低かった韓国で、なぜ女性大統領が可能になったのでしょうか。野党の男性候補者と競合した大統領選はジェンダーをめぐる争いによって特徴づけられました。講演では大統領選挙の過程で浮かび上がった政治的代表制とジェンダーの問題を分析し、朴大統領の勝利を読み解いていきます。 予約は不要です。使用言語は日本語。


 講師紹介

申琪榮(シン・キヨン)さんは、政治学博士。研究分野はジェンダーと政治、比較女性運動、ジェンダー主流化など。ソウル大学卒業、米国ワシントン大学で博士号を取得し、日本学術振興会外国人特別研究員を経て、2008年より現職。

共著として 『クオータ制をめざす』(パドウィメンズオフィス2013)The Routledge Handbook of Japanese Politics (Routledge 2011) Global Gender Research (Routledge 2010)他。

日時:2013年10月25日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3508 
司会:伊藤るりさん(一橋大学大学院社会学研究科・教授)

お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第21回

「不法移民」収容キャンプ内部のジェンダー構造

講師:マルク・ベルナルドさん(ルアーブル大学社会学部教授) 
グローバルな人の移動は増加し続けていますが、先進国を中心に国境管理が軒並み厳しくなり、滞在許可を持たない外国人の取り締まりが強化されるなか、彼/彼女らを収容する施設が世界中につくられています。こうした施設とその周辺部では何が起きていて、その内部にはどのようなジェンダー構造があり、女性はどのような状況におかれているのか。こうした点について、非正規滞在外国人の収容キャンプを調査してきたベルナルドさんに解説していただきます。 予約は不要です。使用言語はフランス語、通訳あり。


 講師紹介

マルク・ベルナルドさんは社会学者。グローバリゼーションの影響下における移住労働者の居住空間と国家、市場の関係を分析。近年は非正規滞在外国人の居住空間を調査。

主著に Captures (2012), Camps d’étrangers (2008)など。

日時:2013年7月5日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3508 
司会:森千香子さん(一橋大学法学研究科・准教授)
後援:日仏会館フランス事務所/projet ANR-JSPS chorus ILERE

お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第20回

「フランス・フェミニズムの両義性と隘路」

講師:ナシラ・ゲニフ=スイラマさん(パリ=ノール大学准教授) 
パックス法(1999年)、パリテ法(2000年)、さらには今年4月、同性婚を認める世界14ヵ国目となったフランス。ジェンダー平等とセクシュアル・マイノリティの権利を推進する一方で、スカーフ禁止法(2004年)も成立し、公立学校がスカーフを被るムスリムの少女たちの就学を妨げるなど、ジェンダー/エスニシティ/階級の交差のもとで、フェミニズムは新たな課題に直面しています。こうした点について、アルジェリア移民2世でもあるゲニフ=スイラマさんに問題提起していただきます。 予約は不要です。使用言語はフランス語、通訳あり。


 講師紹介

ナシラ・ゲニフ=スイラマさんは社会学者。ジェンダー/エスニシティ構造、植民地主義と移民問題、レイシズムなどをテーマに透徹した分析を展開。主著に"Des « beurettes»" (2003, Le Monde研究賞受賞),編著に ”La République mise à nu par son immigration” (2006)など。


日時:2013年6月19日(水曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学西キャンパス 本館1階 特別応接室(いつもの場所と違うのでご注意ください)
司会:伊藤るりさん(一橋大学社会学研究科・教授)
共催:一橋大学国際交流セミナー、「国際移動とジェンダー」研究会/科研費基盤研究A「EU 統合下の移住女性とケアの政治」
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第19回

「金融化された資本主義とジェンダー――新しい収奪のかたちを問う」

講師:足立 眞理子さん(お茶の水大学大学院教授/ジェンダー研究センター長) 
グローバリゼーションは新国際分業を軸とする生産領域での展開から、家事・介護労働者の国際移動が示す再生産領域での展開へと深化を遂げ、さらにリーマン・ショック後の世界においては、「金融化による横奪(ディスポゼッション)」を特徴とする新たな資本蓄積をもたらしている。「横奪による蓄積」(ハーヴェイ)はいかなる意味でジェンダー化されているのか。この点について、足立さんに問題提起していただきます。


 講師紹介

足立 眞理子さんの専門は、経済理論、国際経済学、フェミニスト経済学。主要共編著に、『フェミニスト・ポリティクスの新展開』(御茶の水書房)、『国際移動と<連鎖するジェンダー>』(作品社)など。2010~11年度フェミニスト経済学会代表幹事


日時:2013年1月18日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3508
司会:伊藤るりさん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第18回

「外国人女性たちの3・11 「以前・以後」と改定入管法 」

講師:鄭 暎惠さん (大妻女子大学大学院 人間文化研究科 教授) 
東日本大震災では、日本人だけでなく、在日朝鮮人、国際結婚、研修生、留学生などさまざまな背景をもつ外国籍の人びとが被災しました。この講演では、被災した外国籍女性への支援にかかわってきた、社会学者の鄭暎惠さんをお迎えし、外国籍女性にとっての3.11を語っていただきます。また、今年7月に施行された改定入管法がもつ意味や影響についても考えていきます。


 講師紹介

鄭 暎惠さんの専門は、アイデンティティ論、ジェンダー論、国民国家とエスニシティ論など。著書に、『〈民が代〉斉唱』(岩波書店)、『私という旅』(青土社、リサ・ゴーと共著)など。「ホットライン姉妹(ちゃめ)」の代表も務めている。


日時:2012年12月14日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階3508
司会:伊藤るりさん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第17回

Filipino Nurse Migration: Histories, Geographies, and Ethics 

講師:Prof. Catherine Ceniza Choy  (University of California at Berkeley) 
近年、アジア系女性看護師らの欧米諸国への国際労働移動に大きな関心が集まっている。なぜ彼らは海を渡るのか? 『ケアの帝国-フィリピン系アメリカ人史における看護と移民-』では、20世紀初頭のアメリカ統治下での病院トレーニング・システムの形成にその起源を求め、アメリカの帝国主義的文化の現代への影響を描いてみせたチョイ先生が、より多様化してきている現在の看護師の国際移動を分析し、アメリカでのフィリピン系看護師の置かれている現状について語ります。 予約は不要です。ふるってご参加ください。質疑応答には通訳がつきます。


 講師紹介

Catherine Ceniza Choyさんの専門は、アジア系アメリカ人史、フィリピン系アメリカ人研究、看護師の国際移動研究など。現在、カリフォルニア大学バークレー校エスニック・スタディーズ研究科教授。今回の来日は、Organization of American Historiansと日本アメリカ学会の日本滞在プログラムによるものです。


日時:2012年5月31日(木曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3508
司会:貴堂嘉之さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第16回

「人間天皇」の表象――「天皇ご一家」像から見えるもの

講師:北原 恵さん (大阪大学大学院・文学研究科教員) 
毎年元旦になると日本のメディアに登場する「天皇ご一家」の写真や映像。私た ちはなぜ、それらを見せられるのか、その歴史と機能は如何なるものか。今回は、敗戦直後、天皇制の危機にあたって再編成された天皇と家族の身体表象に焦点を当てる。敗戦は天皇のジェンダーに危機的な境界喪失と動揺をもたらすが、新たな天皇服の制定や、1946年元旦に背広を着て女性家族のみと写真に収まった「人間天皇」のイメージは、天皇の存続と地位をめぐる政治を背景に、まさにジェンダーを軸として展開された政治学として読み解くことができる。このジェンダーの錯綜した「人間天皇」の写真は、戦争中、戦意高揚のための国家的プロパガンダを最先端で担っていた写真家たちによって撮影され、日米合作で広められたのだった。そして、現在の「天皇ご一家」表象から見えるものは何か。天皇の表象をめぐってお話しいただく予定です。ふるってご参加ください。(予約は不要です。)


 講師紹介

北原恵さんの専門は表象文化論、美術史、ジェンダー論。女性アーティストや戦争画・国家・天皇の表象を研究。大阪大学大学院・文学研究科教員。著作・論文『アート・アクティヴィズム』『攪乱分子@境界』(インパクト出版会)、「教科書のなかの「歴史/画」」(『歴史評論』2003年)「《御前会議》の表象」(『甲南大学紀要』2008年)、「元旦新聞にみる天皇一家像の形成」(『性の分割線』青弓社) ほか。 


日時:2012年1月20日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階 3508
司会:坂元ひろ子さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。) 

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第15回

20世紀前半のモンゴル族(内モンゴル)女性の伝統と現代

講師:包 英華さん (内モンゴル大学) 
内モンゴルでは、2005年以後、モンゴル族のモダニズムのありかたに関心がもたれるとともに、近代におけるモンゴル族女性研究も学界の注目を集めだしています。この公開レクチャーでは内モンゴル大学の包英華さんをお迎えし、20世紀前半におけるモンゴル族女性と民族、国家の主流イデオロギーとの関係をめぐる議論を中心に、内モンゴルにおける女性史研究の動向をうかがいます。(講演は日本語、質疑応答は通訳つきです。 ふるってご参加ください。予約は不要です。)


 講師紹介

包英華さんは中国内モンゴル大学民族学社会学学院専任講師で、2010年10月より一年間、一橋大学社会学研究科の外国人客員研究員(中国政府派遣)。博士論文は『モンゴル民族現代小説におけるジェンダー意識に関する考察』。


日時:2011年7月15日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階3508
司会:坂元ひろ子さん(一橋大学社会学研究科・教授)
通訳:呉忠良(早稲田大学大学院文学研究科 博士課程院生)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第14回

ジェンダー、労働、ケア――フランスの研究動向――

講師:エレナ・ヒラタさん (フランス国立科学研究センター 研究ディレクター) 
フランスではC.ギリガン『もうひとつの声』の改訳(2008年)が話題を呼ぶなど、2000年代半ば以降、「ケア」への関心が活性化してきています。この公開レクチャーでは、フランスのジェンダー研究を牽引してきた草分けの一人で、日系ブラジル人の労働社会学者、エレナ・ヒラタさんをお迎えし、「ケア」と労働をめぐる議論を中心に、フランスにおけるジェンダー研究の動向をうかがいます。(講演はフランス語ですが、逐語通訳をつけます。 ふるってご参加ください。予約は不要です。)


 講師紹介

エレナ・ヒラタさんの専門は労働社会学、ジェンダー研究。パリ社会学・政治学研究センター内研究チーム「ジェンダー、労働、移動(GTM)」所属。『カイエ・デュ・ジャンル』誌編集委員。2011年3月から7月末まで国際交流基金フェロー、一橋大学外国人客員研究員として滞在中。


日時:2011年6月24日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 5階3508
司会:木本喜美子さん(一橋大学社会学研究科・教授)、伊藤るりさん(同上)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第13回

性と愛をめぐる不安と学び―大学生たちの今―

講師:村瀬幸浩さん (一橋大学講師) 
一橋大学で『ヒューマンセクソロジー』の授業を担当されて20年。毎年300名近い学生に"人間にとって性とは何か"を問う授業を続けてこられた村瀬さんによれば、この間、時代や社会の変化を受け、学生たちの性への接近はよりカジュアルになっていく一方で、不安、迷い、トラブルに出会うことも多くなってきたという。 そうした中で、確かな力を育てるにはどうしたらよいのか。「学び」の面から、学生たちの生の声を取り上げながらお話しいただきます(予約は不要です)。


 講師紹介

村瀬幸浩さんは愛知県名古屋市生まれ。東京教育大学(現筑波大学)卒。私立和光高等学校保健体育科教諭として25年勤務、この間総合学習科を兼務、「人間と性」を担当、1989年同校を退職。同年4月一橋大学講師、翌年津田塾大学講師、さらに1997年より東京女子大学講師も兼任。科目は「セクソロジー」1982年「"人間と性"教育研究協議会」の設立に参画。現在は同会の幹事、及び同会編集の「季刊SEXUALITY」誌(エイデル研究所刊)編集委員。日本思春期学会理事、性の健康医学財団評議員。著書、『恋人とつくる明日:育て合う安心と信頼のための9章』十月舎(2006年)、「男子への性教育:その重要性と課題」田中かず子編『アジアから視るジェンダー』風行社(2008年)、『セクソロジー・ノート』十月舎(2004年:最新版)その他多数。


日時:2011年2月4日(金曜日) 17:00-19:00
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー 7階会議室
司会:尾崎正峰さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第12回

広告とアートからみた近代中国の女子スポーツ

講師:游鑑明さん (台湾中央研究院近代史研究所研究員・一橋大学外国人客員研究員) 
日中戦争以降、中国では女子スポーツを普及させるため、論説などの文字媒体とともに、商業広告とアートも視覚に訴え、マスコミを通じ、人々の日常生活に浸透させるようになってきた。こうした商品や作品によって描かれた時代と社会の表象は、当時の政治宣伝や新聞報道に影響された部分が大きく、創作者がそのメッセージを大衆に広く伝わるよう、意識的に分かりやすい表現方式を取ったものである。
近代中国の広告、マンガ、映画のなかで、女子スポーツがいかに宣伝、解釈されていたのかなどの問題をお話いただきます(予約は不要です)。


 講師紹介

游鑑明(Yu Chien-ming)さんは台湾中央研究院近代史研究所研究員、一橋大学外国人客員研究員。専門は近現代中国女性史・台湾女性史。中国女性史研究を代表する雑誌『近代中国婦女史研究』の編集委員としても活躍している。


日時:2010年10月20日(水曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス 第三研究館3階 研究会議室
司会:洪郁如さん(一橋大学社会学研究科・准教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開ワークショップ

ジェンダー領域で学位論文を書く――『Racing Romance』を語る――

講師:根本宮美子さん (ウェスターン・ケンタッキー大学社会学部准教授)
テキサス大学オースティン校でジェンダーと人種問題に関する博士論文を執筆された根本宮美子さんに、博士論文のテーマの設定と研究を行っていく上で重要と思われることについてご講演いたただきます。 具体的には、
1)アメリカ大学院のしくみと技術的側面:良い点、問題点など
2)研究過程における自己(研究者、個人)の位置の認識と相対化の重要性:なぜこの問題に取り組むのかということを研究者としてだけでなく、社会で生きるものとして時代や社会を相対化しながら意識することの重要性
3)コミュニケーションと伝達の場の活用:指導してくださる先生方や大学院の友人、学会でお会いする方々に自分の研究を知ってもらい、助言や協力をいただくというコミュニケーション力の重要性についてお話いただく予定です(予約は不要です)。


 講師紹介

根本宮美子さんは、ウェスターン・ケンタッキー大学社会学部准教授。ジェンダー、セクシュアリティー、人種とエスニシティ、家族、労働という広い領域をカバーしているアクティブな社会学者。アメリカ社会学会ではSex and Gender セクションの役員選出審査委員及び、最優秀書籍審査委員(いずれも2010年)や、同学会のRace,Gender and Classセクションの学生最優秀論文賞審査委員(2009年)としても活躍している。

<主要著作・論文>

“Racing Romance: Love, Power, and Desire Among AsianAmerican/White Couples.” Rutgers University Press, 2009. 
“Interracial Romance: The Logic of Domination and Acceptance.” In Introducing the New Sexuality Studies: Original Essays and Interviews (2nd edition), edited by Steven Seidman, Nancy Fisher, and Chet Meeks. Routledge. Forthcoming. 
“Sexual Harassment and Gendered Organizational Culture in Japanese Workplace,” Research in the Sociology of Work volume, Gender and Sexuality in the Workplace. Forthcoming. 
“Postponed Marriage: Exploring Women’s Views of Matrimony and Work in Japan,” Gender & Society 22: 2 (April 2008): 219-237. 
“Intimacy, Desire, and Construction of Self in Relationships between Asian American Women and White American Men,” Journal of Asian American Studies 9: 1 (February 2005): 27-54.


日時:2010年7月2日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー4階 3406教室
司会:木本喜美子さん (一橋大学社会学研究科教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第11回

イタリアのフェミニズム――「家事労働に賃金を」から「プレカリアート」へ 

講師:ジャクリーン・アンドールさん (バース大学ヨーロッパ研究学部上級講師、一橋大学外国人客員研究員)
1970年代初頭、「家事労働に賃金を」というスローガンを打ち出したイタリアのフェミニズムは、それから40年近くを経過したいま、大量の不安定就労層(<プレカリアート>)の出現、さらには移住家事・介護労働者の急増という状況のなかで、どのような展開を見せているのか。若い世代のフェミニストたちは何を思い、どう社会を変えようとしているのか。イタリアにおけるフェミニズムと同国で働くアフリカ出身移住家事労働者の問題を追いかけてきたジャクリーン・アンドールさんにお話をいただきます(予約は不要です)。


 講師紹介

ジャクリーン・アンドール(Jacqueline Andall)さんは、イギリス・バース大学ヨーロッパ研究学部上級講師、一橋大学外国人客員研究員。専門はイタリア地域研究とフェミニズム研究。イギリス・社会主義フェミニズムの流れを代表する雑誌 Feminist Reviewの編集委員。


<主要著作・論文>

Andall, J. M., “Review Essay: ‘Italian Feminisms and the Challenges of Ethnic Diversity’,” Feminist Review, 87, 2007; Andall, J. M., Gender, Migration and Domestic Service: The Politics of Black Women in Italy, Ashgate, 2000; Andall, J. M., (ed.), Gender and Ethnicity in Contemporary Europe, Berg,2005など。
*公演は英語ですが、逐語通訳を入れますので、ふるってご参加ください。


日時:2010年6月18日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー4階 3406教室
司会:伊藤るりさん (一橋大学社会学研究科教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)
講演会終了後、アンドールさんを囲んでの懇親会を開催いたします。メールにて予約の上、ご参加ください。
予約先:andall.konshinkai(a)gmail.com((a)を@にかえて送信してください。)
会費(含飲食代):一般1500円 学生1000円

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第10回

ジェンダーと家族の可能性

講師:牟田和恵さん (大阪大学大学院人間科学研究科教授)
近現代日本とジェンダーポリティクスの問題について、家族を切り口にしながら刺激的な議論を展開されてきた牟田和恵さんをお招きします。近代以降の社会において、なぜ夫婦という男女の結びつきが家族の核として普遍的に存在するのが必然となったのか、家族が外部に対する排他性を強め子育てや再生産の責任を一手にひきうけることになったのはなぜなのか。そうした家族のあり方が、それ以外の結び付きが想像もできないくらい、「自然」なものだと信じられ、私たちのとり結ぶ人間関係を規定していることの意味は何なのか。そこにはジェンダーの仮構の上に、性的欲望や生命と労働力の再生産の仕組みを作り上げる、家族をめぐる政治があることが見えてきます。ジェンダー化された家族を超える、新たな生の基盤について論じていただきます(予約は不要です)。


日時:2009年12月18日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー7階 会議室
司会:木本喜美子さん (一橋大学社会学研究科教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第9回

宗教とフェミニズムの不幸な関係?―バックラッシュを超えて―

講師:川橋範子さん (名古屋工業大学准教授)
宗教とフェミニズムあるいはジェンダー研究の関係は、二律背反的なものなのでしょうか? この問題に挑み、家父長制批判に基づく宗教解体作業を越え、宗教に新しい意味を付加し再生させることをめざすフェミニスト宗教学を提起されている川橋範子さんをお招きします。フェミニズムの視点を周辺化させる「学問的中立性」を問い直し、アカデミー内での議論と、現代の女性の政治的社会的苦闘の双方に応答責任があることを研究者は自覚すべきだとするフェミニスト神学者の主張に注目し、ともに解放を支える語りを作り上げていく実践を仏教界の事例などをひきながら語っていただきます。 ふるってご参加ください(予約は不要です)。


日時:2009年11月6日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学 佐野書院
司会:深澤英隆さん (一橋大学社会学研究科教授)
*いつもと教室が異なります。ご注意ください!
*国立駅から大学通りを進み、一橋大学西キャンパス正門の1つ先の曲がり角を右側に曲がった先にあります。
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第8回

戦争とジェンダー ~フェミニストによる根源的問い直し

講師:シンシア・コウバーンさん Prof. Cynthia Cockburn (英国 ロンドン・シティユニバーシティ客員教授)
パレスチナ、旧ユーゴ、北アイルランド、シエラレオネ、コロンビア、インド・・・。 紛争地域で活動する女性平和活動へのアクション・リサーチで著名なコウバーン教授を お招きします。戦争と軍事化が当該社会のジェンダー関係に大きな影響を与えることが、 フェミニズム的な実践と研究によって明らかにされてきました。これらの議論を発展させ、 コウバーン教授は家父長制が戦争を引き起こす「根源(root cause)」ではないかと 問題提起されています。家父長制が、ナショナリズム(ex. 国境線を巡る争い)や 資本主義(ex. 石油の争奪戦)のように戦争の直接的な引き金とはならなくとも、 戦争を「事前準備する(pre-dispose)」ような文化をうみだすことにより、軍事化の プロセスにおいて大きな役割を果たすことを、自らの調査に基づき講演くださいます。 講演には通訳がつきます。ふるってご参加ください(講演会のみの参加の場合、予約は不要です)。


日時:2009年7月17日(金曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー7階 会議室
司会:足羽與志子さん(一橋大学社会学研究科 教授)
*この企画は、東北大学グローバルCOE「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」との共催となります。
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

講演会終了後、コウバーン教授を囲む懇親会を開催いたします。メールにて予約の上、ご参加ください。
予約先:cockburn.konshinkai(a)gmail.com((a)を@にかえて送信してください。)
会費(含飲食代):一般1500円 学生1000円

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第7回

ジェンダーと女性心理学の功績と課題 ~今、何に注目をすべきか~

講師:キャロル・エンズ博士Carolyn Zerbe Enns Ph.D.(米国 コーネル大学教授)
キャロル・エンズさんは、フェミニスト心理療法やジェンダー教育を得意な研究分野とし、フェミニスト・カウンセリング領域の発展に寄与され、アメリカ心理学会(American Psychological Association)よりHeritage Awardsを受賞された心理学者のエンズ博士をお招きします。一般に「フェミニスト心理療法」に対して固定的なイメージを抱きがちですが、エンズ博士は多様なフェミニスト心理療法の理論と実践、フェミニスト・ポストモダニズム、レズビアン/クイァ・フェミニズム、第三波フェミニズムについても言及されています。長年フェミニスト心理療法について研究され、国際的に活躍されているエンズ博士が、女性心理学・ジェンダー心理学の貢献と課題について、女性の中の多様性、女性への暴力、雇用、ボディ・イメージなどの問題を取り上げ、講演くださいます。講演には通訳がつきます。ふるってご参加ください(予約は不要です)。


日時:2009年4月28日(火曜日) 16:30-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー5階 3508
司会:柘植道子さん(一橋大学法学研究科 留学生専門教育教員 臨床心理士)
*この企画は、東北大学グローバルCOE「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」との共催となります。
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第6回

「台湾女性の相続権をめぐるジェンダー・ポリティクス」

講師:陳昭如さん(国立台湾大学法律学院・助理教授)
陳昭如さんは、フェミニズムの視点から台湾における「法の近代化」を研究する新鋭の研究者です。「ジェンダー間の平等」の理念を取り入れた戦後台湾の法律と、伝統的な社会規範との間には大きな乖離が存在しました。法律では、娘にも息子と同じく相続権が与えられましたが、実際に相続権を行使した娘には「不孝」の汚名が背負わされてきました。数々の判例の分析を通じて、女児相続を抑制するメカニズムを跡づけながら、相続権の「放棄」か「行使」かをめぐる、台湾女性の戦略と主体性の問題に迫ります。ふるってご参加ください(予約は不要です)。


日時:2009年1月30日(金曜日) 16:20-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー5階 3508
司会:王雲海さん(一橋大学法学研究科・教授)
*この企画は、東北大学グローバルCOE「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」との共催となります。
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第5回

「“ホモエロティシズム”とポストコロニアル沖縄の関係」

講師:新城郁夫さん(琉球大学法文学部・准教授)
新城郁夫さんは、日本近現代文学、とりわけ沖縄文学、沖縄を扱った文学作品を、ジェンダー概念を積極的に導入しながら読み解いてこられました。同時に、沖縄のおかれている状況、沖縄についてのさまざまな表象に対しても、鋭い批判のメスを入れておられます。"ホモエロティシズム"をキーワードに、沖縄をめぐるポストコロニアルな状況/表象について語っていただきます。ふるってご参加ください(予約は不要です)。


日時:2008年12月19日(金曜日) 16:20-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー5階 3508
司会:鵜飼哲さん(一橋大学言語社会研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第4回

「フェミニズムとリベラリズムの拮抗――新しい<家族>の可能性」

講師:岡野八代さん(立命館大学法学部・教授)
政治思想史をご専門とされる岡野八代さんは、そこにフェミニズム理論を接合し、政治思想/理論における「家族」の問題について重要な議論を展開されてきました。政治理論における「家族」を論じることで「政治的なるもの」の再検討を試みる岡野さんに、これまで二項対立的にとらえられてきた「家族と政治」の関係について、語っていただきます。ふるってご参加ください(予約は不要です)。


日時:2008年11月28日(金曜日) 16:20-18:30
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー5階 3508
司会:平子友長さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第3回

「領域分離とジェンダー史研究」

講師:姫岡とし子さん(筑波大学人文社会科学研究科・教授)
ドイツを中心とするジェンダー史研究を切り拓いてこられた姫岡とし子さんは、『ジェンダー化する社会-労働とアイデンティティの日独比較史』(2004)では、労働の場でジェンダーの差異化と領域分離が構築される姿を日独比較のかたちで提示されました。最近ではさらに、ジェンダーの本質的違いを基礎にして、ネイションのなかに女性の居場所とアイデンティティを求める右派の運動に興味をもたれています。双方の領域をまたがる領域分離について縦横に語っていただきます。ふるってご参加ください。<予約は不要です>


日時:2008年6月13日(金曜日) 17:00-19:00
場所:一橋大学東キャンパス マーキュリータワー5階 3508
司会:坂元ひろ子さん(一橋大学社会学研究科・教授)
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第2回

「フィールドワークの『ジェンダー化』をめぐって-ジェンダー人類学の視点から」

講師:中谷文美さん(岡山大学社会文化科学研究科・准教授) 
バリ島の女性たちの「仕事」の日常を活写した『「女の仕事」のエスノグラフィ―バリ島の布・儀礼・ジェンダー』(2003)のお仕事で知られる社会人類学者の中谷文美さんをお招きして、フィールドワークの手法について語っていただきます。また、編者として『ジェンダー人類学を読む』を本年刊行し、地域編・テーマ編としてその研究蓄積を整理した立場から、ジェンダー人類学の可能性とその展望についてもお話いただく予定です。


日時:2008年1月25日(金曜日) 16:20-18:00 
場所:一橋大学東キャンパス  マーキュリータワー 5階 3508 
司会:石井美保さん(一橋大学社会学研究科・専任講師) 
連絡先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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CGraSS 公開レクチャー・シリーズ 第1回

「オーラル・ヒストリーとジェンダー研究-イギリスにおけるオーラル・ヒストリーの展開を振り返って」

講師:酒井順子さん(成蹊大学ほか非常勤講師)
文献史料には現れない歴史の諸相を、聞き取りによって再構成するオーラル・ヒストリーの方法と成果。この方法を、いかにしてジェンダー研究に組み込み、新しい研究の可能性を切り拓くことができるのか。 ポール・トンプソン著『記憶から歴史へ オーラル・ヒストリーの世界』(青木書店、2002年)の訳者としても知られる、オーラル・ヒストリアンの酒井順子さんが、ジェンダー研究へのオーラル・ヒストリー的手法の導入について語ります。どうぞ、ふるってご参加ください。(参加自由、予約不要)


日時:2007年11月28日(水曜日) 16:20-18:00 
場所:一橋大学東キャンパス  マーキュリータワー 5階 3508
司会:濱谷正晴さん(一橋大学・社会学研究科教授) 
お問い合わせ先:ジェンダー社会科学研究センター cgrass(a)soc.hit-u.ac.jp ((a)を@にかえて送信してください。)

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