木本喜美子 Kimiko KIMOTO
Profile
木本喜美子(きもと・きみこ)は1950年、新潟県長岡市生まれ。
1973年津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業後、布施鉄治の『行為と社会変革の理論――マルクス主義社会学方法論序説』(青木書店、1972年)に影響を受け、北海道大学大学院教育学研究科修士課程へ進学。’78年同博士課程単位取得退学。「貧困」というテーマから研究を出発したが、経済の問題に還元されることに窮屈さを感じ、「生活と労働」「家族と労働」というテーマへと転換。「家族と労働」を繫げる概念として「ジェンダー研究」の視点を取り入れるようになる。
1978年広島大学総合科学部助手、’83年立命館大学産業社会学部助教授に就任。「自動車産業労働者の労働・生活と地域社会構造に関する総合的研究」(1988〜1990年)に参加したことがきっかけとなり、『家族・ジェンダー・企業社会――ジェンダー・アプローチの模索』(ミネルヴァ書房、1995年)を刊行。同書は、第二回社会政策学会奨励賞(1995年)を受賞している。
1990年に一橋大学社会学部助教授、’93年同教授、2000年同大学大学院社会学研究科教授、’14年同名誉教授。’05年より一橋大学における全学的教育プログラム策定プロジェクト(GenEP、Gender Educational Program)を立ち上げ、ジェンダー社会科学研究センター(CGraSS)の初代代表を務め、教育・研究に尽力した。主著に『女性労働とマネジメント』(勁草書房、2003年)、共編著に『ジェンダーと社会――男性史・軍隊・セクシュアリティ』(旬報社、2010年)、『社会政策のなかのジェンダー』(明石書店、2010年)など。学術界においては、日本労働社会学会代表幹事(2010〜2012年)等を歴任し、日本学術会議連携会員としても活躍している。