宮城晴美 Harumi MIYAGI
Profile
宮城晴美(みやぎ・はるみ)は1949年、米軍政下沖縄の離島、座間味村生まれ。
1973年に沖縄国際大学法経学部経済学科を卒業後、雑誌『沖縄思潮』編集委員会に務めるかたわら、’74年10月より1年間琉球大学法文学部の研究生として学んだ。'76年の編集委員会解散後、月刊誌『青い海』出版社に勤務。退社後はフリーランスライターとして沖縄県内の民間企業社史の執筆編集に携わる一方で、戦争と暴力、女性問題、教育問題等に関する記事を新聞・雑誌に寄稿した。
1984年から4年間、定時制高校の非常勤講師(公民)も勤めた。’85年には、座間味村からの委託により村史出版プロジェクトを立ち上げ、『座間味村史』を編集、また「うないフェスティバル」の運営に加わった。’89年の村史発刊後は、那覇市の女性史編集に携わり、’92年から10年をかけて『なは・女のあしあと』全3巻(那覇女性史前近代編・近代編・戦後編)、『なは女性史証言集』全4冊〈1/2/3/4〉を発行した。その後は戦後の『那覇市史』編集を担当。さらに沖縄県教育委員会による新沖縄県史編集事業の女性史専門部会長として、『沖縄県史 各論編8 女性史』(2016年3月)の刊行にも尽力した。
この他、沖縄県内の自治体の依頼により各地で「トートーメー問題」についての講義を行い、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の活動では、戦後沖縄の女性に対する米兵の性犯罪に関する年表の作成にも携わっている。2006年に琉球大学大学院博士前期課程に入学し、修士論文「座間味島『集団自決』のジェンダー・アプローチ」を執筆。’10年に那覇市歴史博物館を定年退職後も、沖縄大学、沖縄国際大学、琉球大学で非常勤講師を務めている。
主著『母の遺したもの――沖縄・座間味島「集団自決」の新しい証言』(高文研、2000年)は、2001年度沖縄タイムス出版文化賞を受賞。’08年には新証言を受けて加筆・修正をした新版が発行されている。