荻野美穂 Miho OGINO
Profile
荻野美穂(おぎの・みほ)は 1945年、中国・青島市生まれ。出生後間もなく日本に引揚げ、両親とともに宝塚で育つ。
1968年神戸女学院大学文学部英文科を卒業。その後、結婚し2人の子どもを出産し、数年間主婦生活を送る。國信潤子との出会いをきっかけに日本女性学研究会に参加し、歴史学に関心を抱く。その後、奈良女子大学大学院文学研究科修士課程に入学。子育てと主婦業をしながら、’85年に同課程を修了。関西の女性学の仲間たちOur Bodies, Ourselvesの翻訳に携わったこともあり、生涯のテーマとなる性と身体の歴史について考察を開始。’87年同博士課程中退。’88年に『思想』に掲載された「性差の歴史学」は高い評価を受け、研究職を志すきっかけとなった。
1992年にはジョーン・W・スコットの『ジェンダーと歴史学』(平凡社)を翻訳し、ポスト構造主義的なジェンダー概念を日本に紹介した。2000年、「アメリカ合州国の人工妊娠中絶論争――その歴史と意味についての研究」でお茶の水女子大学より博士号を取得。京都文教大学助教授、大阪大学助教授・教授を経て、’09年より同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授を務め、’14年同職を定年退職。日本学術会議連携会員、NPO法人ウィメンズ・アクション・ネットワーク理事も歴任。
著書・編著をはじめ、業績は多数あり、『「家族計画」への道――近代日本の生殖をめぐる政治』(岩波書店、2008年)は女性史青山なを賞を受賞。『ジェンダー化される身体』(勁草書房、2002年)は後身の研究者にとっての必読書となっており、『女のからだ――フェミニズム以後』(岩波新書、2014年)は一般読者にも広く読まれている。
(執筆担当:大庭万里奈)
Movie
(映像編集:大庭万里奈)