西川祐子 Yuko NISHIKAWA
Profile
西川祐子(にしかわ・ゆうこ)は1937年、東京都生まれ。7歳で敗戦を迎え、京都府で育った。2024年没。
1956年、京都大学文学部仏文科に入学。同大学大学院文学研究科修士課程に進学し、’66年同博士課程を修了。’67年より2年間、フランス政府給費留学生としてパリに留学。’69年パリ大学で博士号取得。’66年より’74年まで帝塚山学院大学講師・助教授としてフランス語を教えた。
1974年、大阪大学教員採用の第一候補者となったことが通知されたため、帝塚山学院大学に宛てた割愛状に基づき教授会で退職承認され、同大学を退職。しかし、正式採用がなく1年が経過したため2年目から抗議活動を始める。公募人事応募者の人権擁護と2年の空白についての国家賠償を求めて、’75年大阪地方裁判所へ提訴し、’79年全面勝訴。この間とその後の計10年間は、関西の諸大学で非常勤講師、市民講座の講師等を務めた。’84年に中部大学、’96年に京都文教大学へ赴任し、2008年に同大学を定年退職。
専門はフランスと日本の近現代文学、女性史・ジェンダー論である。女性の評伝3部作『森の家の巫女 高群逸枝』(新潮社、1982年)、『花の妹 岸田俊子伝』(新潮社、1986年)、『私語り樋口一葉』(リブロポート、1992年)の他、女性史・ジェンダー史の論文集『近代国家と家族モデル』(吉川弘文館、2000年)がある。生活史、空間論としては『借家と持ち家の文学史』(三省堂、1998年)と『住まいと家族をめぐる物語』(集英社新書、2004年)、時間論としては『日記をつづるということ』(吉川弘文館、2009年)を発表。また近著『古都の占領――生活史からみる京都 1945-1952』(平凡社、2017年)は占領期研究の成果である。京都文教大学では共同研究を積極的に進めた。共著として、『共同研究 男性論』(人文書院、1999年)、『京都フィールドワークのススメ』(昭和堂、2003年)、『戦後の生活記録にまなぶ』(日本図書センター、2009年)、『京都発! ニュータウンの「夢」建てなおします』(昭和堂、2015年) が挙げられる。